令和3年第4回定例会 提案説明
令和3年第4回定例会 提案説明
「令和3年第4回町議会定例会 町長あいさつ」
本日ここに、令和3年第4回永平寺町議会定例会が開催されるにあたり、町政運営の所信の一端を申し述べるとともに、今回ご提案いたします議案等の概要について、ご説明申し上げます。
梅雨入りを前に、紫陽花(あじさい)が美しい姿を見せる季節のなか、議員各位におかれましては、ご壮健でご活躍のことと心よりお慶び申し上げます。
第4回定例会のご案内をさせていただきましたところ、ご参集賜り、厚くお礼申し上げます。
始めに、新型コロナウィルス感染症対策における本町の取り組みについて申し上げます。福井県では変異株の拡大に伴い4月22日に県独自の緊急事態宣言が発令されましたが、ゴールデンウイーク中の不要不急の外出の自粛など、感染防止への取り組みを徹底したことにより、5月21日には感染拡大「特別」警報から感染拡大警報に緩和したところです。
しかし、変異株は感染力が強く、県内感染者も3月以降の第4波で急増し、その数は1、000人を超え、近隣の県でも非常事態宣言、まん延防止等重点措置が適用されるなど、まだまだ、油断できず、先行きが見えない状況です。町民の皆様には、多くの制限の中、不安な日々を過ごされていることと、大変重く受け止めているところであります。
本町では、これまで、新型コロナ対策本部会議を通して各課情報を共有し、町民への不要不急の外出抑制や小中学校のクラブ活動休止、町施設の休館など、感染拡大注意報・警報などのレベルに応じた基準を作成し、独自に取り組んでまいりました。
小中学校につきましても、教育委員会、校長会、各学校と情報の共有、連携をとりながら、体育大会や修学旅行、部活動など、各種行事については、実施時期も含めて、安全を第一に判断してまいりたいと考えております。
今年度は昨年のような長期の休業もなく、授業も順調に進んでいることから、夏休みも短縮しない方針でございます。
また、5月14日より、町内3箇所の児童館、支援センターも再開しており、幼児園・幼稚園も継続して感染予防の徹底を図り、行事等については状況に応じて対応していきたいと考えています。
感染防止対策に大きな効果が期待できますワクチン接種につきましては、希望される方ができるだけ早く、安心して接種していただけるよう役場内にワクチン接種対策チームを設置し、関係機関と連携し準備を進めてまいりました。その結果、5月17日からの高齢者を対象とした個別接種については、町内7医療機関の協力のもと、初日は72名の方が一回目の接種を終えられています。
また、17日から65歳以上の方の予約も順次行っており、先週末で対象者の予約率が84・7パーセントに達しております。このようにワクチンに対する期待が高まるなか、接種体制を確保しながら65歳以下の方へのワクチン接種についても、準備を進めているところです。
町職員におきましては、今月6日からの集団接種の開始に伴い、職員の配置計画の策定や事前の説明会を行い、業務が円滑に進むよう体制を整えたほか、国や県とも情報を共有しながら全職員が一丸となって取り組みを進めているところです。
今後も、国の目標である7月末までに高齢者のワクチン接種はもとより、希望されるすべての町民の皆様が、速やかにワクチン接種を受けられるよう取り組んでまいります。
事業の進捗状況や今後の取り組みについて申し上げます。
コロナ禍における地域経済の状況につきましては、今年2月に福井県立大学、永平寺町商工会をはじめとする町内経済産業団体、雇用機関、金融機関と協働で実施いたしました「町内産業振興に係る実態アンケート」の結果により、今年の1月から6月期の業績見通しが、前年同期と比較して「悪い」とした回答が過半数を占め、厳しい結果となっています。
一方で、コロナ禍での対策として、商品・サービスの新規開発や提供方法等の見直しについて、現状を打破するため、前向きにチャレンジされている状況もお聞きすることができました。
今後は、調査結果で明らかになった現状や課題を基に関係機関と十分協議し、連携を図りながら、スピード感をもって、持続可能な産業の育成と振興に努めてまいります。
また、新型コロナウィルス感染症による生活面などへの影響については、町在住者を対象として生活実感調査を実施しております。今後、調査結果を踏まえ、福井県立大学地域経済研究所による分析を行い、アフターコロナへ向けた提案をいただき、町民の皆様の生活支援や子育て支援など、各種事業に反映していきたいと考えております。
次に、観光振興及び地域資源の活用について申し上げます。新型コロナウイルス感染症の影響により、厳しい状況が続いておりますが、先日「ミシュランガイド2021 北陸 特別版」にて、町内の宿泊施設が2つ星の評価をいただきました。その他にも、永平寺町から飲食部門のミシュランプレートとして、1件の店舗が掲載されるなど、アフターコロナ、北陸新幹線や、中部縦貫自動車道の開通に向けて観光面で、明るいニュースとなりました。
また、京都市在住で世界的にも著名な写真家で、経済産業省クールジャパン官民有識者会議会員でもあります、エバレット・ケネディ・ブラウン氏が、福井県を舞台として永平寺町を拠点に活動されることとなりました。エバレット氏は「松岡十二曲がり」をはじめとした、古くから残る街並み、風情、永平寺町が推進してきた「ZEN」ブランドに着目され、芸術文化からはじまる地域の活性化を図ろうとされています。
エバレット氏の活動に対しては福井県や県内各機関、団体との連携も始まろうとしております。町といたしましても、地域の皆様との交流を積極的に推進し、町内資源の発掘、町内交流の促進はもちろん、関係人口の拡大に努めていきたいと考えております。
次に、カヤックの普及に熱い思いを持った方々が主体となり、資金調達の仕組みであるクラウドファンディングを活用して、中島河川公園の上流にフリースタイルカヤック競技場「ナミノバ」を整備し、5月29日にオープンいたしました。
この場所は、市荒川発電所から毎秒60トンを超える安定した放流量があり、日本国内でも数えるほどしかないカヤックの聖地としての可能性を秘めた場所となっています。
今後は、全国からカヤックファンが集まることで新たな人の流れが生まれるとともに、国内外の大会の誘致やメダリストの育成、また、鳴鹿大堰から永平寺河川公園までの静水域を利用した、カヤックの体験会を開催するなど、競技等を通した交流人口やにぎわいの創出を目指しながら、川のあるまちとして、地域の活性化に繋がるものと期待を寄せているところであります。
また、5月30日には、志比地区において東京2020オリンピック・パラリンピック聖火リレーが行われました。勝山市から届けられた炎は、本町在住の3名の方を含め6名のランナーにより受け継がれ、無事に次のあわら市へ引き継ぐことができました。沿道に駆け付けた来場者の皆様とともに、コロナの収束や世界の平和などの願いを託した炎を見届けることができました。
永平寺町の文化財活用について申し上げます。 本日6月1日より9月30日まで、松岡公民館2階資料室にて、新型コロナ感染防止対策を取りながら文化財企画展示を行っております。今回は「永平寺町の原始から古代」と題し、原始時代から古墳時代にかけての考古遺物を解説も併せて展示しております。なお、期間中には展示に関する講座や公民館講座との連携も予定しているところです。
是非ともこの機会に、町民の皆さまを始め、多くの方々に足を運んでいただければと思います。
次に、各連携協定について申し上げます。町では、人と人をつなげる、コトとコトをつなげることを目標に、各機関、団体の皆様と協働の施策を展開しております。
去る5月14日には、町内の高齢者福祉施設「株式会社ケアふくい」様と、「災害時協力協定」を結ばせていただきました。「株式会社ケアふくい」様の施設「はないろ」を、松岡東幼児園の園児の一時避難所としてご提供いただきます。
現在、町内の各園ではハード面だけでなくソフト面でも、日頃より月1回の避難訓練を実施して安全確保に取組んでいます。このような協力協定により、なお一層、子どもたちが安心して園生活が送れる環境が整うものであり、今後は協定企業の協力により、防災安全課・消防本部とも協議のうえ避難訓練を計画しており、避難ルートの確認のほか、施設での受け入れ体制の確認等も予定しています。
また、5月25日には「日本商運株式会社」様と「災害時における被災者への支援協力に関する協定」を結ばせていただきました。これまでも、大雪の際には除雪車燃料や、食料品の提供等、温かいご支援を頂いておりました。今回改めて、地震や風水害等による大規模災害が発生し、または発生するおそれがある場合に、物資の輸送及び被災者や避難者等への支援活動並びに、「日本商運株式会社」様の施設を避難場所としてもご提供いただきます協定を結ばせて頂きました。
災害時には、早め早めの行動と、指定された場所へ安全に避難することが基本となりますが、万一の時には、近隣の安全な施設へ避難することが、命を守る有効な行動につながります。
今回のように民間施設・民間企業との災害協力協定は、突発的な災害での避難行動の確認や、地域で子どもを守る環境づくりにもつながるものです。
今後とも関係者並びに住民の皆様のご理解、ご支援をいただき、安全安心の確保に向けた環境づくりに取り組んでまいります。
次に、町内各種団体との協働の取組みについて申し上げます。永平寺町観光物産協会が5月25日に観光庁の事業採択を受け、四季の森複合施設において、町の歴史文化や豊かな自然環境、精進料理や伝統料理など、食を活かした体験型ワーケーションの開発を進める予定でおります。特に、ワーケーションの取り組みとして、日本能率協会マネジメントセンターと連携協定を予定しており、企業研修の誘致を推進していきたいと考えております。
町としても、商工会やJAなど地域の産業を支える組織・団体と交流の促進を図りながら、人が人を呼ぶサイクルを確立し、コロナ禍の影響で停滞する地域経済の活性化や観光需要の回復に向けて、取り組んでまいります。
昨年度から実施している不動産業界の皆様との連携についても、物件情報の共有を緊密に実施し、今年度、町外から松岡地区への移転操業の案件を実現できる見込みとなっております。
次に、まちひとしごと創生総合戦略について申し上げます。平成27年10月、永平寺町では、人口減少・少子高齢化社会を克服し、地方創生を推進していくため、地域の産業、教育、金融、労働、報道、議会の皆様など、幅広い分野の方々にお集まりいただき、「永平寺町まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定いたしました。総合戦略策定以来、永平寺町の立地や地域資源を活かした転入促進、転出抑制施策を積極的に展開した結果、平成27年度では社会増減数値として101人のマイナスでありましたが、年を追うごとにマイナス幅は縮小の傾向に推移し、令和2年度では5人のプラスに転じることができました。このような数値の成果を着実なものにしていくため、これまで同様、総合戦略検証委員会による検証を実施し、KPIによる施策効果を測定するなど、第2期総合戦略を着実に推進してまいります。
次に、企業誘致について申し上げます。永平寺町は、昭和44年に指定された「福井都市計画区域」、昭和47年に指定された「嶺北北部都市計画区域」、平成19年に指定された「永平寺準都市計画区域」といった、3つの都市計画区域が混在をしております。準都市計画区域があるのは福井県で永平寺町だけであり、さらに、3つもの都市計画区域が混在する町は、全国でも永平寺町だけとなっております。
指定から相当の年月を経過している区域指定は、現在の永平寺町の交通環境、立地条件にそぐわないと思われる規制もあり、企業誘致、住宅立地、集落の維持に支障をきたしている側面もあります。
このような条件のもとでも、町では、企業誘致や地域の活性化を推進しており、まちひとしごと創生総合戦略を策定した27年から、企業進出、事業拡張や宅地造成を目的とした開発行為申請が13件、地域未来投資促進法や企業誘致条例を活用した企業誘致件数が4件となり着実に民間投資が生まれております。この成果をこれからも持続可能な取り組みとするべく、都市計画マスタープランの改定を行う今年度から、都市計画担当職員を県から派遣いただき、他県の規制を見直した先進市町との情報共有を行い、都市計画の町内一本化に向けた、見直し作業に取り掛かっております。これまで、解決できなかった、大きな課題の解決に向けたチャレンジですが、永平寺町の将来を見据えた、土地利用のあるべき姿を実現したいと考えております。
次に、雪害状況と復旧状況について申し上げます。今年、1月7日から降り始めた大雪の除排雪作業により、ガードレールなどの道路付属物や個人所有の塀垣など、除雪車による破損箇所は420箇所以上にも及んでいます。これらの破損箇所につきましては、緊急性の高いものから順次補修を行っており、一日も早い復旧に取り組んでいるところでございます。
近年、局地的に短時間での強い雨が、日本各地で大きな被害をもたらし、死者、行方不明者など尊い命を奪っています。5月20日からは、全国的に警戒レベル4の避難勧告が廃止され、避難指示に一本化されました。
この事を踏まえ、最新の気象情報を注視し、関係機関と連携を取りながら、厳重な警戒態勢で被害の拡大防止に努め、的確なタイミングで避難準備や高齢者等避難及び自主的避難を促し、レベル4の避難指示段階では、速やかに避難できる体制がとれるよう、早め早めの情報発信に努めてまいります。
今後、出水期を迎えるにあたり、更なるハザードマップの周知に努めるとともに、有害鳥獣の出没についても、防災安全課や農林課からの情報を、緊急メールやSNS等を活用して伝達するなど、さまざまな突発的な事象に対しても、迅速な情報の発信と的確な伝達に努めてまいります。
それでは、本定例会にご提案いたします議案等について申し上げます。
まず、令和2年度永平寺町一般会計繰越明許費繰越計算書の報告につきましては、一般会計におきまして、令和2年度内の完了が見込めない18件の年度内完了が見込めない事業などを繰越させていただくもので、事業に対する金額や財源等について報告するものであります。
次に、令和3年度永平寺町一般会計補正予算の主なものについて申し上げます。歳出においては、新型コロナウィルス感染症の拡大防止に要する費用や生活支援またワクチン接種にかかる費用と、本年1月の大雪の際、除排雪によって破損した構造物等の復旧費や除排雪体制の増強をはかるための費用を計上するものであります。
次に、令和3年度永平寺町介護保険特別会計補正予算につきましては、事業の精算により、交付金に返還金が生じたため、補正予算を計上するものであります。
次に、令和3年度永平寺町上水道事業会計補正予算につきましては、漏水や誤徴収による還付金に不足が生じることから、補正予算を計上するものであります。
次に、「永平寺町附属機関設置条例の一部改正する条例」の制定以下、4件の議案につきましては、上程の都度詳細にご説明いたしますので、慎重にご審議いただき、妥当なご決議を賜りますよう、お願い申し上げます。
以上、本定例会の開会に当たり、町政に対する所信の一端と議案について申し上げましたが、今後とも更なる町政発展と、持続可能な行政サービスの提供に努めてまいります。議員各位におかれましては、町政発展に向けて一層のご尽力を賜りますようお願い申し上げまして、開会のごあいさつといたします。
どうぞ、よろしくお願い申し上げます
ようこそ町長室へ
情報配信元
総務部門 総務課
電話番号:0776-61-3941
ファックス:0776-61-2434
メール:somu@town.eiheiji.fukui.jp
このページの担当にお問い合わせをする(メールフォームへ)