最終更新日:2023年2月28日

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令和5年第2回定例会 提案説明

令和5年第2回定例会 提案説明

令和5年第2回永平寺町議会定例会 開会のあいさつ

 本日ここに、令和5年第2回永平寺町議会定例会が開会されるにあたり、町政運営の所信の一端を申し述べるとともに、今回ご提案いたします議案等の概要について、ご説明申し上げます。

 寒さも少しづつ緩みはじめ、日脚がのびてくるなど、春の訪れを感じる季節となりました。

 議員各位におかれましては、ご壮健でご活躍のことと心よりお慶び申し上げます。第2回定例会のご案内をさせていただきましたところ、ご参集賜り、厚くお礼申し上げます。

 さて、国は、新型コロナウイルス対策のマスク着用について、3月13日以降、個人の判断に委ねることを基本とすると決定しました。また、5月8日には、新型コロナウイルスの感染症法の位置づけを、季節性インフルエンザと同じ、「5類」へ移行するなど、これまで浸透してきた基本的感染対策が大幅に緩和されます。

 今後は、家庭、学校、職場、地域のあらゆる場面で日常を取り戻す動きが進んでまいります。

 本町といたしましては、公的支援やマスク着用のあり方に関することなど、感染抑制との両立に向けて情報収集を行い、段階的な移行に混乱が生じないよう 広報啓発に努めてまいります。

 本町の新型コロナワクチン接種ついては、12歳以上の町民では、81パーセントの人が3回以上の 接種を完了し、53パーセントの人がオミクロン株 対応ワクチンの接種を完了しています。

 来年度の接種体制はまだ明らかになっていない点もありますが、今後も油断ならない感染症であることに変わりはございません。

 感染しない、させないことを基本に、新型コロナワクチンの接種体制を継続してまいります。

 新型コロナウイルスの流行が始まって4年目に入りました。この間、様々な活動が制限され、人と人との繋がりや、社会経済活動に大きな影響が及びました。このような社会情勢であっても、時代は力強く、前に進んでいます。コロナ禍を契機とした社会変革に対応し、さらに未来に向けて進化を続けています。特に、デジタル化と脱炭素化にむけた最先端技術の分野において、進歩が著しく、あらゆる産業で新たな価値の創出や劇的な効率化が進んでいます。

 このような変化は特別なことではなく、いつの時代においてもすべての人の周りで起こることです。大事なことは、変化にすばやく、柔軟に適応することです。本町においても、これまで先人が残してきた歴史や文化を踏まえつつ、より高いレベルの安心と成長につながる取り組みに挑戦し、みんなが笑顔になるまちの実現に向けて、様々な可能性を、カタチに変えて まいります。

 令和5年度から、第二次永平寺町総合振興計画の 後期基本計画がスタートします。

 後期計画では、働く場や子育て環境の整備により 移住者の受入れ態勢を整え、観光客の満足度向上に向けた取り組みや循環型社会の構築、再生可能エネルギーの導入などを推進してまいります。

 今後も、町民の皆様が自慢できる町となるよう、人々が集いたくなる「出会い」、「交流」の場を創造し、「関係人口」を活用した多様な施策に取り組んでまいります。

 少子高齢化対策や移住・定住支援対策は喫緊の最重要課題であります。

 このため、機構改革を行い、「えい住支援課」を創設し、企業誘致など、雇用機会の創出による人口増対策や移住・定住支援に特化する施策を、総合的かつ スピード感をもって進めてまいります。

 なお、「えい住支援課」のネーミングは、町民の皆様や移住・定住を考えている人達に、えいへいじ町に、永く住み続けて頂けるよう願いを込めて名付けたものであります。

 それでは、令和5年度の取組みについて申し上げます。

 予算編成にあたっては、第二次永平寺町総合振興計画に基づく事業を着実に推進するため、今年度に改定する、後期基本計画答申の意見を十分に尊重し、目標を達成するために必要となる予算を編成させていただきました。

 この結果、一般会計の令和5年度当初予算額は、94億4、516万1千円を計上し、歳入については地方財政計画などを考慮し、地方税収入として20億5千82万円、地方交付税39億1千万円、また、活用できる国庫補助金及び県支出金、交付税 措置に有利な合併特例債および過疎債などの財源確保に取り組み、予算を計上しております。

 歳出については、各担当課において第二次永平寺町総合振興計画の基本目標の達成にむけて事業内容を精査し、予算を計上させていただいております。

 それでは、各所属が取組む主な施策について申し上げます。

 はじめに、総務課について申し上げます。

 令和4年度の永平寺町への個人のふるさと納税 寄附額は、1月末時点において9、200万円となり、前年同時期と比べ、約1.3倍となりました。令和5度度についても、適切な制度運用に努め、より多くの皆様に応援していただけるよう、中間事業者が持っている企画力や、返礼品に魅力ある商品を 取り入れ、ふるさと納税を通じて永平寺町の魅力を発信してまいります。なお、いただきました寄附金につきましては、子育て支援の充実や教育力の向上、高齢者福祉の充実、 防災力の向上など、寄附者の想いに沿った事業に活用させて頂いております。

 令和4年度の企業版ふるさと納税につきましては、地域スポーツチームによる地方創生支援と、企業版 ふるさと納税活用支援事業を併せて3、800万円の寄附を受けました。寄附額の9割については、令和 5年度において、企業等が取り組む「永平寺町まち・ひと・しごと創生総合戦略」に位置付けられた事業を実現するための助成金として活用し、地方創生の 推進に努めてまいります。

 持続可能で、多様性を認め合う共生社会の実現を 目指し、同性カップルに婚姻相当と認めるパートナーシップ制度の導入に向けて準備を進めてまいります。広報紙の特集ページや講演会などの啓発を通じて、パートナーシップ制度の意味や多様性を認める社会の重要性について、町民の皆様の理解を深めてまいります。町職員においても先進地視察や職員研修を通じて、性的マイノリティの方々の現状や直面する課題について十分に理解し、当事者に寄り添った制度構築に 努めてまいります。

 地域おこし協力隊員については、現在、芸術文化、農産品販売の2名の方が活動しています。令和5年度においても、引き続き、農産物生産をはじめ、地域活性化に繋がる隊員の募集を継続し、人口減少や少子高齢化などに起因する地域課題の解決に取り組んでまいります。

続きまして、契約管財課について申し上げます。

 公共施設における安全の確保は、行政に課せられた重要な責務であります。

 契約管財課では、町民のみなさまに安心して利用していただくことを目的に、施設管理者による日常点検を指導・実施しています。さらに、大型台風や大雪など、近年の異常気象により天候が悪化した場合においても、緊急点検を指示し、安全確保に努めています。このような日頃の点検を習慣化することにより、いち早く変化や異変に気付く事ができ、業務への大きな影響も回避することができます。さらに、維持管理費の面でも修繕に必要な出費を最小限に抑えることにも繋がり、一定の成果を上げているものと認識しております。

 永平寺町が目標とするSDGsの取組みについては、脱炭素社会への実現に向け、次世代自動車の導入方針に基づき、電気自動車等を計画的に導入するとともに、議場照明のLED化を行い、Co2の削減に 積極的に取組んでまいります。

 公共施設の適正管理については、松岡幼稚園が令和5年3月をもって閉園することに伴い、庁内跡地利用検討会の結果を踏まえ、付属のプール施設を町立図書館及び松岡小学校の来訪者用駐車場として再整備を行い、公有地の有効活用を図ってまいります。この他、建設課で進めている西幼児園跡地の公園整備については、関係各課と協議しながら、公有財産の有効活用に努めてまいります。

 続きまして、防災安全課について申し上げます。

 要配慮者を対象とした個別避難計画の作成については、令和3年度の事業着手からこれまで、53集落で150名の計画を作成しました。要配慮者一人ひとりにあった避難計画を作成するためには、地域の支援者のご理解とご協力が必要不可欠です。引き続き、各種説明会や避難訓練等を通じて、避難行動要支援者名簿を基に、優先度の高い要配慮者から避難計画を作成してまいります。

 令和5年度は、防災DXの推進に取り組でまいります。

 災害情報の発信については、これまで発信手段ごとに異なった方法で、複数職員の対応により災害情報を発信していましたが、新たに総合防災システムを採用し、災害情報発信業務の効率化と一元化を進めてまいります。災害情報を複数の媒体へ即時配信し、気象や避難等に関する情報を町民の皆様に迅速かつ的確に伝達することで、適切な避難行動をとることが出来るよう、支援してまいります。

 指定福祉避難所の整備については、昨年度より、災害時の停電に備え、電気自動車等から電力供給を可能とする充放電設備の設置を計画的に進めています。令和5年度は、電気自動車購入に合わせ、「松岡福祉総合センター 翠荘」に充放電設備を設置し、防災機能設備の強化を図ってまいります。

 続きまして、総合政策課について申し上げます。

 はじめに、計画策定について申し上げます。第二次永平寺町総合振興計画、後期基本計画の策定にあたり、2月16日に永平寺町振興計画審議会長より答申をいただいております。計画においては、将来像は継続し、基本施策等は 社会経済情勢が変化した場合にも柔軟に対応できるように見直しをいたしました。また、基礎自治体としての役割をしっかり果たせるよう、SDGsやsociety5.0などの新たな視点への対応のほか、地域課題に則した計画へと更新しております。

 さらに、第2次永平寺町環境基本計画の改定についても、環境指標の設定、SDGsや循環型社会の実現に向けた取組みなど、環境行政を取り巻く新たな課題のほか、脱炭素社会の実現に取り組む計画へと改定しております。この環境基本計画を踏まえつつ、令和5年4月以降にゼロカーボンシティ宣言を行うこととしており、併せて自然豊かな町を再認識していただく情報発信を行い、環境意識の醸成に努めてまいります。

 次に、移住定住促進事業について申し上げます。

 移住定住や子育て支援等に取り組んできた結果、令和4年1月から12月までの1年間の社会増減をみますと、プラス47名と転入増となりました。一方、同時期の自然増減では、163名減少しています。30年前は、31名上回っておりましたが、20年前は同数、10年前には91名減となっており、自然増減では減少数が増えております。このことは、全国的な傾向でもあります。今後も出生数や転入数の増加に寄与する施策や事業を推進することで、人口減少の抑制を進めていくことが重要であります。

 町はこれらに対応するため、若年層のUターン、あるいは就職などで本町に転入してきた人を定住させる、Iターン、Jターンを一層進めるにあたり、新築住宅を建てる土地が少なく、都市計画等の規制などがある現状を踏まえ、土地や空き家の流動を促進するとともに、特に永平寺地区、上志比地区への移住定住を誘導する補助事業を新たに創設します。既存の空き家対策や定住支援と併せ、人口の減少が進む地域での住まいの場の支援となるよう一体的に施策を進めてまいります。

 次に、MaaS事業について申し上げます。

 2月4日に、岸田内閣総理大臣と岡田地方創生担当大臣が、国の実証が進められている自動運転レベル4に対応した車両や運行システムの視察に来町されました。今年4月以降の自動運転レベル4に対応した道路交通法の施行を見据え、国内初となる乗車を体験されたもので、町は、引き続き国や県と連携し、政府目標の達成のため、国が行う自動運転事業を支援してまいります。

 近助タクシーの本格運行が、町内3地区において開始しております。2月10日には、志比北・鳴鹿山鹿地区の近助タクシーを運営している志比北振興連絡協議会が、地域をよりよく、元気にするための日頃の活動が認められ、ふるさとづくり大賞の総務大臣表彰を受賞されました。今後も、豊かで活力ある地域社会の構築を図り、利用者からも信頼いただける事業として定着するよう努めてまいります。

 また、これまでも高校生等の移動手段となる通学定期券購入に対し10%の助成をしてまいりましたが、令和5年度から20%へと拡充し、子育て世帯の家計負担軽減に取り組んでまいります。

 続きまして、住民税務課について申し上げます。

 はじめに、税関係について申し上げます。納税手続きのデジタル化推進にむけて、引き続き、キャッシュレス決済による納税の普及啓発を図り、納税者の利便性向上と窓口業務の効率化に努めてまいります。納税者の方が、役場窓口へ来庁いただくことなく、自宅でパソコンやスマートフォン決済アプリなどを利用して納付する方法を啓発してまいります。徴収については、近年の徴収率98%と同水準を確保できるよう、永平寺町債権管理条例の理念に基づいて、納税者に寄り添った徴収に努めてまいります。

 次に、住民窓口関係について申し上げます。

 国民健康保険事業においては、国民健康保険運営 協議会からの答申を受け、今議会において、令和5・6年度の保険税率改定に関する条例改正案を上程します。剰余金を活用することで、これまでより実質的な負担減となるものでございます。また、令和5年度は、特定健康診査など保健事業に関する次期6カ年計画を策定する年度となっています。特定保健指導の強化を図ることは健康維持に大きく貢献することになり、元気で生活できる源になるものです。着実な実施につながる計画づくりに心がけてまいります。

 永平寺町のマイナンバーカード申請受付状況は、令和5年2月12日時点で申請者数は14、432人、申請率は79.52%となっております。デジタル化の推進による行政サービスの効率化の一環として、令和5年度から、マイナンバーカードを利用した窓口における申請書作成支援システムの導入をおこないます。マイナンバーカードは、社会全体のデジタル化推進の基盤をなすものであり、行政サービスのみならず、生活の様々な分野で活用が期待されています。町民の皆様が質の高いサービスを享受していただけるよう、引き続きマイナンバーカードの普及促進に取り組んでまいります。

 次に、ごみの減量化について申し上げます。

 さらなる削減に向け、第2次永平寺町環境基本計画の行動計画に基づき、令和5年度は環境美化推進員の皆様への学習会を予定しています。学習会を通し、幅広いご意見をいただき、今後の取組みに反映させてまいります。

 続きまして、永平寺・上志比支所について申し上げます。

 健康長寿クラブと連携した取り組みにつきましては、支所において行っているところであり、近年、包括的連携協定を締結している福井県立大学や福井大学から「健康長寿要因の研究」への協力依頼及び世代間交流会の実施依頼が増加しています。このような世代間交流は、高齢者の皆様にとっても生きがいづくりや認知症予防につながっていくものです。今後も、健康長寿クラブと各大学との連携強化を図り、充実した交流活動の実施に努めてまいります。

 続きまして、福祉保健課について申し上げます。

 障がい者事業では、第4次障がい者基本計画等の計画策定年にあたります。この計画においては、福祉サービスの必要な量や確保のための方策等、サービスを円滑に実施するために必要な事項を定めます。令和4年度に実施した各種福祉サービスの利用 状況に関する意識調査の基礎資料を反映させ、地域共生社会の実現に向けた計画を策定してまいります。

 施設管理では、昭和63年に竣工した福祉総合センター翠荘の屋根改修工事等の補修に着手し、使用環境の改善と長寿命化を図ります。健康福祉施設、禅の里温泉は、開業から10年が経過しました。浴槽タイルの張替工事や照明設備のLED化など、施設の長寿命化と脱炭素化推進について指定管理者とともに推進してまいります。

 保健事業では、産後ケア事業の拡充を図ります。これまで、出産後1年未満の母親と子どもに対して、1回2時間程度の母乳相談を中心とした事業を実施してまいりました。しかしながら、出産後の心身不調や育児に不安を抱える声があることから、助産師等が常駐する医療機関で、心理的なケアや育児指導を受けられる場を確保し、安心して子育てできる環境の整備を図ってまいります。

 令和5年度は、高齢者と介護予防の一体的実施事業に取り組みます。この事業は、福井県後期高齢者医療広域連合と町が協働して、後期高齢者の健康づくりや介護予防等の事業と連携し、高齢者の特性を踏まえた保健事業を実施するものです。健康課題の分析や対象者の把握にデータを活用し、企画・調整を行うとともに、保健師や管理栄養士等が生活習慣病の重症化予防のための個別的支援を 実施してまいります。

 がん患者補整具等購入支援事業にも取り組んでまいります。がん治療による外見変化を補完する補整具の購入費用を補助することにより、がん患者等の経済的負担の軽減を図るものです。補整具で心理的負担の軽減も図られることから、治療後の社会参加を促進し、生活の質の向上を目指します。

 町立在宅訪問診療所管理運営事業を拡充してまいります。訪問診療を利用されている患者さんの70パーセントが訪問看護を必要としており、患者さんの経済的負担の軽減と医療従事者の労働時間の軽減にもメリットがあることから、訪問看護事業を導入して在宅医療体制の充実を図ってまいります。

 介護保険事業では、第9期高齢者福祉計画・介護保険事業計画の策定年にあたります。介護給付等対象サービスの見込み量を実績値等から推計し、その必要量から介護保険料を算定します。第8期は、コロナ禍の影響をまともに受けた3年間であったことから、実態調査の結果を丁寧に 分析しながら作業を進めてまいります。

 続きまして、子育て支援課について申し上げます。

 本町の未来を担うのは子どもたちであります。子ども達が、親や家族の愛情、地域社会の見守り、支え合いを受けながら、幸せに一歩一歩成長していくことは、町民の願いであります。仕事と子育ての両立など、社会全体で子育てができる環境づくりに取り組み、子育て世帯から選ばれるまちを目指し、支援の充実を図ってまいります。

 令和5年4月1日に、民間の幼保連携型認定こども園が開園します。本町としましては、園児が安全に 楽しく毎日過ごせるよう、また、保護者の皆さまも安心してお子さまを託すことができるように、民間園との連携を緊密にし、積極的に関わり、より質の高い保育サービスを提供し、子育て環境の充実を図ります。

 4月から幼児園・幼稚園において、完全給食を実施いたします。現在、3歳児から5歳児までの園児については主食を持参いただいておりましたが、今後は、炊きたての温かいご飯など、主食の提供を行ってまいります。また、ひとり親家庭等の通学定期代助成についても、対象者を高校生のみを小中学生まで拡充し、保護者の負担軽減に努めてまいります。

 妊娠期から子育て期にある方は、様々な不安や悩みを抱えています。こうした方への気持ちに寄り添い、不安や悩みを解消するため、相談体制の充実を図り、経済的支援と一体的に、家庭のニーズに応じた切れ目のない、きめ細かな支援を行ってまいります。

 保育施設の整備については、園児、保育士等が園で安全、健康、快適に、そして安心して過ごせるよう、トイレの洋式化や空調設備、LED照明への入替などを進めてまいります。

 また、幼児園・幼稚園の保育士等の負担軽減や事務効率の向上のため、保育ICTシステムを導入します。保護者の利便性向上、円滑な連絡体制の構築、連絡帳のデジタル化による情報の共有化を進めてまいります。今後も良好な環境づくりや施設の保全を計画的に進め、教育・保育の質の向上に努めてまいります。

 政府は、「こどもまんなか社会」を目指すため、  令和5年4月1日にこども家庭庁を設置します。本町においても、こうした国の動きや県の政策を 注視しながら、子どもや家庭に対する支援をより一層充実させられるよう、様々な観点から施策の検討を 進めてまいります。

 続きまして、農林課について申し上げます。

 米価の低迷と生産資材等の価格高騰で、農業経営は厳しい状況が続いています。また、農業の後継者不足が深刻化しています。一方、国外における紛争や世界人口の急増による「食料の安全保障」問題がクローズアップされています。

 このような状況を受け、国は、様々な農業施策の 転換に向け動き出し、その一つとして、概ね10年後の農地利用と担い手を明確化する「地域計画」の策定を市町に義務付しました。この計画は、農業委員会を中心に、地域の農業従事者と土地所有者等が話合い、農地利用の目標地図を 作成し、それに基づき、担い手、土地所有者、関係機関等および町が協議して策定するものです。これと併せて、本町の農業基本計画を見直し、農業従事者の所得向上など、農業の持続的発展にむけた 取組みの指針を策定してまいります。

 農業振興では、令和5年度から、上志比地区で酒蔵の操業が開始され、今後、永平寺町産酒米の需要増が見込まれています。生産から加工、販売まで一貫した6次化産業であり、需要に応じた生産は、農業従事者にとって安定した有利な取引が期待できるほか、輸出する日本酒用の酒米は、生産調整の対象となり、国の補助金も交付されるため、農業従事者の生産調整に伴う負担の軽減や所得向上に繋がると考えています。今後は、農業従事者とJA及び県と町が連携体制を構築し、生産量の安定確保と高品質化に取組み、新たな永平寺町の特産となるよう推進してまいります。

 土地改良事業では、営農条件の向上や防災機能強化のため、補助金を活用した農業基盤施設整備を継続して実施するほか、町内の土地改良区を対象に、2つの支援事業を新設し、農業基盤施設の維持管理を支援してまいります。

 林業では、森林環境譲与税を活用して「森林経営管理制度」の実施に向けた意向調査や地域の森林整備活動等への支援を継続するほか、収益向上と森林資源の利用サイクル構築を目的に支援事業を新設し、主伐・再造林を推進してまいります。

 浄法寺山での地滑り対策については、令和5年度に有識者らによる検討委員会で、県が示す対策案を承認した後、事業計画の策定に入ります。

 水産業では、九頭竜川中部漁業協同組合の地先資源増大への取組を継続して支援するほか、九頭竜川への誘客や町民の意識高揚を図るためのイベント開催を支援してまいります。

 続きまして、商工観光課について申し上げます。

 令和5年度は、北陸新幹線福井・敦賀開業に向け、永平寺町の魅力をなお一層PRする一年となります。また、開業一年前イベントが、県内外の主要な施設で開催されます。

 秋には、JRや大手旅行会社、メディアを一堂に集めた全国宣伝販売促進会議が福井県で開催され、県内自治体や観光関連団体、事業者が観光資源等を PRすることとなっています。これらの機会を通じて、世界に誇る禅のブランドや歴史文化、九頭竜川に関連するツアーコンテンツ、伝統料理、特産品などを発信し、多くの観光客の皆様を惹きつけ親しまれるよう、関係者の皆様と取り組みを進めてまいります。

 誘客手段のひとつとして、町では、「禅」「円相」のポスターに加えて、新たな観光ポスターを制作します。永平寺町の魅力がより多くの人に伝えられるよう、観光誘客効果を高めてまいります。また、永平寺町商工会が実施する、町内の観光素材を集約・整理し、旅行会社等が求める詳細な情報を盛り込んだ素材集の作成事業に、支援を行ってまいります。

 大本山永平寺の門前街においては、民間事業者が 再生事業を進めています。この事業に対しては、企業版ふるさと納税の一部を原資とする事業補助を行ってまいります。地域が一体となって民間主導による門前まちづくりが促進されることで、地域全体の観光力が底上げされ、インバウンド観光の増加など、更なる観光振興が図られることを大いに期待しているところです。また、町内の観光施設とも相互に周遊が図られるよう、支援してまいります。

 さて、現在の経済環境は、コロナ禍や物価高、燃料費・電気代の高騰に加え、人口減少社会における、  事業承継の課題や人手不足など、構造的な課題を 抱えています。

 これらの課題に対応して地域経済の活力を維持する施策として、商工会が実施する創業塾や事業承継セミナー、異業種交流会等の事業支援を引き続き行ってまいります。さらに、令和5年度は、創業する際に必要な経費を補助する制度を創設し、新規創業者の促進と、それに伴う雇用の創出、創業に絡めた移住定住の 支援を図ってまいります。

 続きまして、建設課について申し上げます。

 平成30年2月の豪雪と令和3年1月の大雪を教訓に、これまで、除雪車の増強や除雪路線の見直しなどを行い、除雪体制の強化に努めてきました。今シーズンからは、全ての除雪車にGPS端末を 搭載することで、降雪期における除雪状況の見える化を促進し、作業の効率化を図ってきたところです。

 令和5年度は新たに、積雪の深さを自動計測化し、24時間遠隔監視することができる積雪モニタリングシステムを導入します。深夜パトロールの負担軽減と、短時間における大雪や、明け方の予期せぬ降雪などにも、適切な出動連絡が行える体制に強化し、除雪車出動の迅速化に努めてまいります。

 また、松岡清流地区西側のファミリーパーク内にある、使用されていない井戸を活用し、清流地区内の メイン道路、町道清流132号線の消雪整備に着手します。冬期間における、通勤・通学など、通過交通量が多い道路の交通の確保に努めてまいります。なお、交通量が多く、県の最重要除雪路線となっている、旧国道416号の町道花谷牧福島線については、一部、消雪未設置区間があることから、水源調査など、消雪設備の整備に向けた調査を行ってまいります。

 町道の維持管理については、老朽化していくアスファルト舗装を始めとした道路施設に対して、舗装の打換え工事や町道橋、道路照明などといった道路構造物の補修工事を、これまでと同様、引き続き計画的に行っていくとともに、通学路を中心に道路パトロールを強化し、修繕箇所の早期発見、早期補修に努め、安全で安心な道路環境づくりに努めてまいります。

 住宅支援事業では、令和5年度も引き続き、木造 住宅耐震化の推進に努めるとともに、空き家の利活用支援や空き家バンク登録の推進、無料相談会の開催など、空き家対策に積極的に取り組んでまいります。特に、子育て世帯と移住者への「住まい支援事業」においては、移住者の定義を、県内に住所を有していない県外者だけを対象としていましたが、令和5年度からは、県内からの移住者も対象に加えてまいります。また、バンク登録されている物件については、賃貸成約者への家賃補助や、永平寺地区、上志比地区の 物件購入・リフォーム費用に対しても加算補助を行うなど、新たな施策を講じ、更なる移住、定住支援に努めてまいります。

 松岡公園については、更なる公園の魅力アップを 目指し、眺望園地にある休憩舎施設においてバー ベキューができるように一部改修を行い、家族連れなどで賑わう魅力ある公園づくりに努めてまいります。

続きまして、上下水道課について申し上げます。

 上下水道事業は、全国的に設備の老朽化対策が喫緊の課題となっており、本町においても今後、多額の費用を投じて設備の更新を行う必要があります。このような情勢の中、下水道事業におきましては、令和2年度に策定しましたストックマネジメント 計画に基づき、令和3年度から永平寺中央浄化センターを中心に、本格的な設備更新を開始しました。

 令和5年度についても国庫補助事業を活用することにより、本町の財政的な負担軽減を図りながら、計画的な設備更新を進めてまいります。

 また、下水道事業及び農業集落排水事業については、公営企業法適用化に向けた移行準備期間の最終年度となります。令和5年度は、条例等の制定や改正、現特別会計の打切り決算及び次年度当初予算編成等を行い、令和6年度からの円滑な公営企業会計の運用開始に向け、準備を進めてまいります。

 上水道事業については、令和4年度に上志比配水区原水の高度浄化処理を行う紫外線処理装置整備に係る基本・詳細設計を行いました。令和5年度及び令和6年度において国の補助金を活用し、電気・機械設備などの整備を進め、これまで以上に安心安全な水道水の安定供給に努めてまいります。

 続きまして、学校教育課について申し上げます。

 志比北小学校の学校再編につきましては、1月5日、学校および幼児園の保護者会から、志比小学校と統合することにご賛同いただく旨の回答書をいただき、2月7日から9日にかけて、地域住民との意見交換会を開催いたしました。今後は、議会のご意見をいただき、方向性を確定 したいと考えております。

 上志比中学校につきましては、保護者の皆様との 意見交換を進めている間に、6年生の進学先を決める時期となったことから、「統合するにしても、現在の6年生が中学校を卒業した後の令和8年4月以降にさせていただく」ことで、小中学校保護者会役員のご理解をいただきました。今後は、他の中学校との交流を拡充し、小規模校のデメリットを解消しながら、保護者のご意向を最優先に考えてまいります。このため、令和5年度の重点事業として、交流拡充のためのバス借り上げ料を、新規に計上しております。

 その他の主要事業といたしましては、「学校施設 長期保全再生計画」に基づく各校の改修工事、および避難所としての機能強化を図るためのトイレ洋式化により、児童生徒と教職員に、安全で快適な環境を 提供いたします。また、脱炭素社会に向けた取組の一環として、校舎のLED化工事に向けた設計業務も行います。

 現在、本町の学校で重点的に進めている項目には、「ICT教育」と「ふるさと教育」の推進がございます。ICT教育におきましては、引き続きタブレット 活用支援員を配置し、ハード面での環境整備と教員のスキルアップに努めてまいります。ふるさと教育につきましても、教員による研究会で様々な工夫を協議しながら、各校での取組を発表し合うなど、永平寺町を知り、愛着を持つための取組を継続してまいります。

 続きまして、生涯学習課について申し上げます。

 若者の社会参加を促進する「わかまちプロジェクト」については、共同学習や交流を通じて、地域づくに参画するきっかけをつくり、自発的な活動に結びつくよう、引き続き支援してまいります。

 文化芸術振興事業については、地域おこし協力隊員と町民が映画製作に取り組み、春には撮影が終了する予定です。制作した映画は、各種映画祭に出品し、本町のさまざまな魅力を広く国内外に伝えてまいります。また、文化公演事業では、本町在住の笑福亭笑生 さんが落語家と認められる「年季明け」を迎えたことから、本町でのお披露目を兼ねた落語会を企画し、 町民の皆様に、寄席という日本文化に触れる機会を提供してまいります。

 町内の文化財を後世に伝えていくため、島地区の宝篋印塔周辺の整備をはじめ、各種の調査・管理を引き続き行ってまいります。さらに、令和5年度から学芸員を採用し、南先生の指導のもと、講座や展示、古墳群の案内企画などを 通じて、幅広い世代に、先人が残した町の文化財や 歴史を紹介してまいります。

 スポーツの振興については、永平寺町スポーツ協会が主体的に企画運営する取り組みを支援し、大人から子供まで、多様なスポーツに親しむ環境づくりを推進してまいります。また、利用者が増えている永平寺町健康福祉スポーツ施設「ニンキー体育館」について、利用者からの  要望に応え、人工芝を敷設し、利用環境の向上を図ってまいります。

 その他、企業版ふるさと納税寄附金の一部については、地域スポーツチームへの事業補助金に充てるほか、町民のスポーツ振興に活用させていただきます。

 続きまして、会計課について申し上げます。

 会計課では、令和5年10月からインボイス制度が施行されることに伴い、一般会計及び町立在宅訪問 診療所特別会計に係る適格請求書発行等についての対応を行います。また、令和3年6月に閣議決定された「規制改革実施計画」に基づき、指定金融機関等で取り扱っている公金の収納事務手数料が改定され、令和5年4月1日から引上げや有料化されることとなりました。このことから、関係各課と連携して口座振替を推進するなど、経費削減に努めてまいります。

 続きまして、消防部局について申し上げます。

令和4年は、救急件数が過去最多の670件となり、高まる救急需要に対応するため、導入から約25年経過していた高規格救急自動車を更新いたしました。令和5年度においても、引き続き、導入から18年経過している高規格救急自動車を更新し、住民からの救急要請に対応してまいります。全国的にも頻発している自然災害や、巨大地震災害時に派遣される緊急消防援助隊、登録隊の車両についても順次、更新を行ってまいります。

 次に、平成28年3月に、情報管制室に整備された、高機能消防指令システムの部分更新について申し上げます。このシステムは、119番通報の受信によって、消防車両の出動指令から災害活動までを支援し、一連の活動管理と部隊の運用を図るためのもので、 消防本部の心臓部となる機能を有しています。今回の部分更新は、運用上重大な支障が発生する可能性がある部分について更新を行い、機能維持を図るもので、消防車両等に指令を出す、情報処理システムのメインコンピュターのバージョンを最新のものに入替えします。併せて、付属する老朽化機器も 更新を行い、高機能消防指令システムの長寿命化を図ってまいります。

 消防団体制については、消防団の充実強化を図るなどの努力が評価され、今年度は公益財団法人、日本消防協会より、「防災学習、災害活動車」、総務省消防庁無償貸付事業により、「救助用資機材、小型動力ポンプ搬送車」の2台が交付されました。さらに、令和5年度にも「救助用資機材、小型動力ポンプ搬送車」1台の交付が決定されております。これらの車両、資機材を活用し、消防団活動の充実強化を図るとともに自主防災組織や各種防火防災関係機関への指導教育を行い、地域防災対応力の向上に努めてまいります。

 火災予防については、全国的にも工場や住宅火災の発生が後を絶たないことから、引き続き住宅用火災 警報器の設置、取替えを推奨してまいります。町内の事業所などへの防火査察を実施するとともに、往復はがきによる消防用設備等の点検結果報告を徹底させ、違反是正に努めてまいります。

 それでは、本定例会にご提案いたします議案等について申し上げます。

本定例会に提出いたします案件は、「令和4年度永平寺町一般会計補正予算の専決処分の承認について」の承認案件が1件、

「令和4年度永平寺町一般会計補正予算について」をはじめとする補正予算案件が8件、「令和5年度永平寺町一般会計予算について」をはじめとする予算案件が9件、「永平寺町個人情報保護法施行条例の制定について」をはじめとする条例案件が10件、「第二次永平寺町総合振興計画、後期基本計画の策定について」等の案件が2件、「永平寺町人権擁護委員候補者の推薦について」の 諮問案件が1件の計31件でございます。

 それぞれの議案につきましては、上程の際、ご説明いたしますので、何卒慎重にご審議いただき、妥当なご決議を賜りますようお願い申し上げます。

 以上、本定例会の開会に当たり、町政に対する所信の一端と議案について申し述べさせていただきました。

 議員各位におかれましては、町政発展に向けて一層のご尽力を賜りますようお願い申し上げまして、開会のごあいさつといたします。

 どうぞ、よろしくお願い申し上げます

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